一昔前には「清潔感がない」「時代遅れ」とマイナスのイメージを持つ人が多かった古着ですが、今、かつてないほど古着市場が白熱しています。たとえば古着のメッカ、アメリカでは古着市場が一般的なアパレル市場に比べて20倍以上伸びています。日本でも、古着市場がファストファッション市場を近い将来超えるだろうとみている専門家は多いようです。アメリカのリサイクルショップが行った調査「リセールレポート2021」によればリセール(古着)市場は、2030年までに840億ドル(約11兆2,547億円)規模に成長するとみられています。もちろん、日本でも例外ではありません。Z世代を中心に古着をデイリーコーデに取り入れる人が増えています。日本でネットアンケートを行ったところ、「古着を頻繁に購入している」「たまに購入している」と答えた人が20代女性は約25%、30代女性で約22%、40代女性約16%。「購入したことがある」と回答した人を含めると、10~60代の間、どの世代でも40~50%に達します。

なぜ古着市場の推移はこんなにも大きいのでしょうか?理由は古着業界の台頭や、芸能人、セレブなどの影響で古着へのマイナスイメージが払しょくされたことが大きいでしょう。そして、ここ数年はエシカルファッションに興味を持つ人が増えていることも大きな理由です。最近、「エシカルファッション」や「サステナブルファッション」という言葉を耳にする機会が増えましたよね。さらに「SDGs(エスディージーズ)」という言葉もよく使われるようになりました。SDGsはSustainable Development Goalsの略で、持続可能な開発目標という意味です。2015年の国連サミットで採択され、2030年までに達成していく目標として17の大きな目標を掲げました。

「サステナブル(Sustainable))は「持続する」という形容詞で、「エシカル(ethical)」には「倫理的」「道義上」という意味があります。法律や条例で禁止されていなくても、人間が本来持っている道徳観や倫理観で正しいと思うことを、環境や人に対して継続して行っていくという考え方のことです。環境問題だけではなく、労働環境や経済的な問題などにもつながっていく広い意味で使用される言葉です。「政府や大企業が取り組む問題で、私とは関係ないんでしょう」と思いがちですよね。私もそう思っていました。でも、SDGsを達成するためには、私たち1人1人のサステナブルでエシカルな行動が不可欠だと気づいたんです。

では、サステナブルファッションやエシカルファッションとは何でしょうか?エシカルファッションやサステナブルファッションは、SDGsの第一歩。分かりやすく言えば、地球に優しいおしゃれのことです。たとえば、オーガニック素材を使っていること、フェアトレードアイテム、あるいはアニマルフレンドリー(動物実験をしていない)企業のアイテムを購入することなど、さまざまな方法で実践できるんですよ。でも、「なんだか難しそう」って思いませんか?フェアトレード製品を扱うブランドが近くにあるとは限らないし、アニマルフレンドリー企業かどうかは調べないと分からないですよね。オーガニックコットンやオーガニックリネンを使用した製品はけっこう値段が高いから頻繁には買えないし…と考えると、エシカルファッションを取り入れるのを躊躇してしまうのではないでしょうか?でも、大丈夫。簡単にエシカルな暮らしを始めることは可能です。

古着市場の推移がエシカルファッションと関係しているのは、古着が簡単に始められるエシカルな行動だから。上述したように、エシカルファッションは、人や環境に優しいことですよね。オーガニック製品や、フェアトレード製品でなくても、1着の服を大切に長く着ることも立派なエシカルファッションです。他の人にとってはいらない服(古着)でも、欲しい人、似合う人が手に入れて長く愛用すれば、それもエシカルファッション。ようするに衣類ゴミを減らことで、無理をせずSDGsに貢献できるんですね。実は、これ、簡単に見えるけど、未来にきれいな地球環境を残すために、とても大切なことなんです。

1990年代後半から2000年代初めにかけて、世界中にファストファッションブランドが誕生してきた結果、プチプラ服の大量生産、そして大量廃棄が加速しています。心あたりがありませんか?安いからと、ついつい買ったけど、着こなし方が分からない服、似合わない服を2、3回着ただけで飽きて捨ててしまった…。現在、日本の衣類廃棄量は年間100万トンにもなっています。これは、枚数にするとおよそ33億着なんだそうです。日本の人口は約1億2,000万人だから、単純計算すると1人あたり1年間に平均約28着の洋服を捨てている計算になります。そして、その廃棄衣類のほとんどは、焼却処分されているんです。環境庁の発表によれば、アパレル業界は石油業界に次いで、世界で2番目の環境汚染原因になっているそうです。衣類を作るのにも、焼却処分するにも大量のCO2が排出されます。これから(世界、日本)の時代、子供たちの将来を考えたら、今、なんとかしないといけませんね。

とはいっても、正直なところ「環境は大切だけど、時間やお金がかかることは難しい…」と考えている女性は少なくないはず。私も以前はそんなふうに考えていました。たしかに、現代の女性は仕事や子育て、家事などに忙しく毎日があっという間に過ぎていき、環境や地球の未来について考える時間がないのが現状ですよね。また、無理をして生活を変えて一時期のブームで終わらせては、結局、これから(世界、日本)の世代に負の環境遺産になってしまいます。サステナブルでエシカルな暮らしを持続させるには、無理をせず、まず身近なところから始めるのがポイントです。自分のライフスタイルを大きく変えることなく、お金をそれほどかけず、家計に影響がない範囲でエシカルを実践できたらいいですよね。たとえば、私たちに身近なファッションから、価値観を変えていくのはどうでしょうか。

「古着を買うだけで本当にSDGsになるの?」と疑問に思いますか?確かに、そんな簡単なことで環境問題に貢献できるなんて、ちょっと信じられないかもしれませんね。でも、実際に古着市場は、冒頭でお伝えしたように、今すごい勢いで伸びています。古着市場の推移を知ると、エシカルファッションに興味を持つ人が世界的に増えているんだな、と感じられます。これまでは一般のアパレルメーカーの服を買っていた人たちが、古着を着たり、自分がいらなくなった洋服を古着ショップに買い取ってもらうことで廃棄衣類を減らしているんです。

私も以前はプチプラ好きで、毎月ものすごい量の洋服を買っていました。でも、あるとき気がついたんです。「体は1つしかないのに、こんなにたくさんの洋服が本当に必要なの?」。買っただけで満足して、クローゼットの中に眠ったままの洋服が山のようにあったんです。もったいないですよね。それから洋服との付き合い方を見直したんです。「安いから、つい買っちゃう」が、環境へ大きな負担になっていることに気づいたら、SDGsを基準にして自分の価値観を自然とアップデートできたんです。この「安いからたくさん買う」というのはクセもので、まさにOUT OF DATEアウトオブデート(時代遅れの言葉)ですね。

洋服は私たちの生活とは、切っても切り離せないくらい大切なもの。でも、私たちの選択や行動によって、地球に大きく影響を与えます。地球環境に取り返しのつかないようなダメージを与えてしまう可能性もあります。特にいわゆるZ世代、10代~25歳くらいまでの若いときは、安くてかわいいものに惹かれがちですよね。「古着には抵抗がある」という人も多いはず。では、逆にシニア世代はどうかというと、実はこの世代も本物志向という違いはあるけれど、案外「他の人が着た服は苦手」という人が多いようです。シニア世代の方は「良いものを買って長く使う」方が実践しやすいのかもしれませんね。でも、そんな女性たちにこそ、古着の魅力に気づいて欲しいなと思っています。

古着には、他にはない個性的で多国籍な魅力があります。それに高価な憧れのブランド服も、古着なら手が届きます。昔は祖母や母からお下がりをもらって着るのが、わりとあたりまえだったのではないでしょうか。そもそも日本の伝統衣装である着物は究極のエシカルかつサステナブルなファッション。着物は仕立て直しして大切に保管することで、何十年も着られます。親から子へ、孫へと代々受け継がれることも多いですよね。流行にあまり左右されず、体形が多少変わっても着ることができます。着られなくなった着物はほどいて反物にし、またリメイクできます。何千年も着物文化を育んできた日本人には、もともと「物を大切にする心」があります。エシカルでサステナブルなファッションを取り入れやすい土壌があるはずなんですね。あまり難しく考えず、自然に自分らしい方法で、子供たちや地球のこれから(世界、日本)のためにライフスタイルをエシカルな方向に変化させていけたらいいですね。環境のためにおしゃれをあきらめる必要はありません。これからの時代は、おしゃれを楽しみながらエシカルを追求していきましょう。

関連記事

2022年/7月/08日 — ECstaff

コメントを残す