SDGsの実現
地球上で暮らすたくさんの人たちが、現在だけでなくこれからもずっと、限られた自然を共有しながら長く共存しなければいけません。そのためには、毎日の暮らしの中でもできるだけ地球にやさしいことを心掛けなければいけませんよね。自然とともに生きる未来を創造することを目的として掲げられたSDGsは、2015年に国連によって採択されたアジェンダです。SDGsはSustainable Development Goalsの略で、「持続可能な開発目標」と訳すことができます。これは、2030年までの間に世界が達成したい目標を17掲げ、それらをさらに細かく分類してトータル169個のターゲットで構成されていますね。

この目標の中には、開発途上国における貧困問題や衛生環境などもありますが、経済成長や技術革新など、先進国や企業に向けたものもあります。これらは必ずしも政府や企業だけが取り組めばよいというわけではなく、地球で暮らす一般市民にとっても、日常生活の中でできることはたくさんありますよね。古着を活用するという方法も、私たちができるSDGs活動の一つかもしれません。

服を製造する際には、資源が必要です。しかし製造した服が100%、ボロボロになるまで着用されて使い倒されるというわけではありませんよね。まだまだ服として活躍できるようなユーズド品でも、ごみとして捨てられてしまうことは少なくありません。ごみとして処理されてしまうと、せっかく服が持っていたポテンシャルが無駄になってしまいますし、資源の無駄遣いともいえるでしょう。そんな服のポテンシャルや資源を無駄にすることなく最後まで全うさせられるのが、衣類のリサイクルなのです。

服を捨てる理由は、多種多様です。サイズが合わなくなったとか、自身の中でトレンドや好みが変わったとか、飽きたという理由もありますよね。その場合、服の状態が良ければ、自分ではなくほかの人が服として活用してくれるかもしれません。これまでは、中古の服というとリサイクルショップなどで破格値で販売されたり、無料提供されることが多かったものですが、近年ではユーズド品の中でも特定のブランドを厳選して取り扱っていたり、状態が良いアイテムのみに特化したショップが増えています。

古着と言っても、その状態は様々です。購入したけれど一度も着用しておらず、買った時のタグが付いた新品もあれば、数回しか来ておらず、新品同様もありますよね。また、気に入っていたから何回も着たし着用感もあるけれど、穴などは開いておらずまだまだ着れる服もあるでしょう。そうした状態を見極めて、適切な中古価格で欲しい人に販売することで、資源の無駄遣いを最小限に抑えることできます。それに、欲しいと思う人が買ってくれて大切に着てくれたら、服にとっても本望ではないでしょうか。

衣類の再利用は、SDGsの点からも、高く推進されています。衣類の場合、状態によって、もう一度衣類として活躍できるReuseとして扱われるのか、それとも衣類の素材をリサイクルしてペットボトルや紙などに変えるRecycleなのか、いくつかの取り組み方法がありますね。自身では「かなり着古したからもう着れない」と思う衣類でも、服としてでなく原料をリサイクルすることができれば、資源の再利用というSDGsの目的に貢献できます。



砂漠を汚染する「ファストファッション」 廃棄した古着から有害物質
砂漠を汚染する「ファストファッション」 廃棄した古着から有害物質:AFPBB News

現在、衣類の回収率は消費量に対して22%程度と、決して高くありません。これは、中古の衣類が資源のリサイクルとして使える人がまだまだ少ないからだと考えられますよね。高級ブランドの衣類なら、まだ着れるし捨てるのはもったいないから売却してお金に換えたいという人は多いでしょう。しかし、お金に換えられるのは高級ブランドだけではありませんし、お金に換えることができなくても、資源の再利用という点ではどんな状態の衣類でも、大活躍できるのです。

欧米には、テキスタイル・アートという芸術があります。これは、一言でいうならパッチワークのようなもので、小さな布をつぎはぎしたりつなぎ合わせて芸術を創造するというものですね。実はこのテキスタイル・アートは、衣類の再利用にも大きな関係があります。

衣類は何度も着用していると、生地が摩擦によって擦り切れ、穴が開いてしまいます。特に摩擦による影響を受けやすい膝部分や肘の部分は、胴体部分と比較するとダメージが起こりやすいですよね。もしもダメージを負った部分をつぎはぎしたり、補修しておしゃれ度を高めることができれば、再び衣類として活躍できると思いませんか?世の中には、そんなポテンシャルを秘めた衣類も、たくさんあります。

昭和の時代なら、擦り切れたジーンズをはいていると「もう捨てて、新しいジーンズを買ったら?」と言われたかもしれません。しかし昨今では、デザインとして新品でも擦り切れた状態を演出しているダメージジーンズがありますし、擦り切れたジーンズをはいている人を見ても、それが摩耗による擦り切れなのか、デザインによるものなのかは、分かりません。ファッションや素材の趣味や嗜好が多様化している時代だからこそ、衣類も修復して再利用できるチャンスが高まっているのです。テキスタイル・アートをファッション分野に適応することは、まさに中古の衣類が再びスポットライトを浴びられる重要な役割を持っているわけですね。

中古の衣類を再利用することは、衣類を手放す際にも、購入する際にも、たくさんのメリットがありますよね。

衣類を手放す際に得られる1つ目のメリットは、ごみ箱にポイと捨てるのではなくリサイクルさせることによって、資源の再利用に貢献できるという点ですね。多くの人が再利用に協力することによって、地球にやさしい生活を実現できます。

2つ目のメリットは、状態が良かったりブランドの服なら、買取という形でお小遣いを稼げるという点ですね。すべての衣類が買い取ってもらえるわけではありませんが、ブランドや状態、市場からのニーズによっては満足できる価格で買い取ってもらえることもあります。

3つ目のメリットは、自分が気に入って購入した服を、別の誰かが大切に着てくれるという点ですね。服にとっては、タンスの肥やしになってしまったり、ごみとして処分されるよりも、ほかの人に大切に活用してもらえることで、きっと喜んでくれるでしょう。

中古の衣類は、服を購入する際にもメリットがあります。1つ目のメリットは、新品で購入するよりも格安に買えるという点ですね。タグ付き新品の衣類でも、リユースを利用すればディスカウント価格で購入できます。多くの衣類がリユースやリサイクルされれば、自分が気に入った商品やほしかった商品と出会える確率は高くなりそうですよね。

2つ目のメリットは、気軽に購入できるという点です。例えば成長盛りの子供が着る服は、どんな高級品を購入してもあっという間に身長が伸びて入らなくなってしまうものです。それなら、おしゃれなアイテムをリユースなどで選ぶことで、お財布にやさしく、よりバラエティ豊かなファッションを楽しめますね。

3つ目のメリットは、ショップを選べば新品同様のアイテムを買うことも十分に可能だという点です。衣類を取り扱うリサイクルショップはたくさんありますが、その中には、特にシミやダメージなどは気にせず、格安もしくは無料で提供しているショップなどもあります。こうしたショップの場合には、中古の衣類は買取ではなく寄付してもらっており、一定期間販売できなければ、衣類としてではなく生地という原料での資源再利用に回されるケースが少なくありません。

しかしショップの中には、持ち込まれたアイテムを一つ一つ手作業でシミやダメージを確認し、販売する前に必要な補修を施し、できるだけ新品に近づけた状態にしてくれているショップもあります。こうしたショップならユーザーにとっては信頼度が高いため、シミやダメージなどに関しても安心ですよね。販売前に手間をかけている分だけ、購入価格は少しだけ高めになることが多いのですが、中古でも新品に近い状態の衣類を格安料金で購入したい人にとっては、ぜひチェックしたいレベルの衣類かもしれません。

それでは、中古の衣類を購入する際には、どんなデメリットがあるのでしょうか?

1つ目のデメリットは、必ずしも自身のサイズに合うものが見つかるわけではないという点ですね。基本的に中古の衣類は1点ものなので、「このデザインが気に入ったのでLサイズが欲しい」ということはできません。Mサイズが1つしか販売されていなければ、それを購入するかしないかという選択肢しかありません。

2つ目のデメリットは、自身が欲しい色が見つからない可能性もあるという点ですね。中古の衣類でも、新品タグ付きなどが出されることはあります。その場合でも、全カラーがラインナップされるわけではないため、新品ならブラックで買えるけれど、中古だと販売されているグリーンという選択肢しかない、ということもあるでしょう。

3つ目のデメリットは、販売されているショップが限定的という点ですね。近年ではWebサイトを活用したオンラインショップなどがあり、全国どこに住んでいても利用できる機会は増えました。しかし店舗のみでの販売をしているショップだと、そこに足を運ばなければ購入することは難しいですよね。それに、そのショップに何が販売されているかも分からないため、自分が欲しかったアイテムが置かれていても気づかないケースは多いかもしれません。

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2022年/5月/14日 — ECstaff

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